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スクールデスコ

外はサクッ、中は腐ってる日記

ご心配いただいた方々ありがとうございます。生きてます

千葉のとある駅前の歩道橋を会社の後輩と取引先の人と4人で歩いていたら、急にグラグラきて「あれ?風かな?」と思った瞬間に歩けないほどの揺れがきてこいつはやべーとよろけながら階段を降りると、足元の地面がメリメリメリと割れた瞬間、「あ、これ死ぬかも」って思った。30年以上生きてきてはじめて死を意識した。とりあえず広いところに!ということで地面の割れ目を飛び越え交差点の中央分離帯まで移動して揺れが収まるのを待つ。車はぜんぶ止まっていて建物から人が出てきていた。そして道路のいたるところから汚水が湧き上がっていた。どこにいたのかテレビカメラがきて撮影をしている。電車もバスも止まっていて、というか動いていたとしても乗る気がしないので、歩いて違う駅を目指すことにする。なぜその駅だったのかは覚えてない。なんとなくそのままそこにいちゃいけないという気がしたのだ。

アスファルトが液状化していて雨上がりの山道みたいになってる。歩きながら家族や大切な人の安否を確認してほっとする。他の人たちが電話がまったく繋がらないというのでPHSを貸してあげたらもれなくつながった。災害時ウィルコム最強説。余震が止まらないので、やむを得ず橋を渡るときはさっきのことを思い出して怖くてしかたない。吊り橋効果で取引先のおっちゃんのこと好きになっちゃったらどうしよう。そういえば昼食べてないから腹減ったな。3軒目でやっと営業中のコンビニを見つけておにぎりとサンドウィッチを買う。すでに棚がガラガラ。取引先の人が「念のためエロ本買っておこうかな」とか言ってて笑う。レジのおばちゃんにリスペクトの気持ちで「すごいですね」と声をかけると、「こういう時こそうちらが頑張らないとね」と返ってきた。おばちゃんかっけー。

30分ぐらい歩いて駅に到着。当然電車は動いていないんだけど、ホームに停車中の電車に乗って休憩してもよいとのことなので、そうさせてもらう。車掌がかみまくりテンパリまくりで何度も「みなさん冷静に落ち着いて行動を・・・」とかアナウンスしてたので、まあまずおまえが落ち着けよと思う。1時間ほどで「復旧のメドが立たないので・・・」との理由で駅から追い出される。しかたない、歩いて東京方面を目指すか。なんだか変なテンションになってきたぞ。ちょっと歩いて畑の真ん中で後ろを振り返ると、どっかで大規模な火災が発生しているらしく夕焼け空にモクモクとものすごい煙が立ち込めている。後輩が会社に電話で「地面は割れるし空は赤いしこっちは地獄絵図です」って話してる。東京も結構すごいらしい。しかしこの時点ではまだ状況が全然わかってなかった。

畑を抜けて住宅街に抜けると同じように歩いている人たちがたくさんいた。ヘルメットをかぶってる人も結構みかける。先頭で旗持って歩いてる老人の列が前から歩いてきたので集団でどこかに避難してるんだなーと思って旗を見たら「歩け歩け○○ウォーキングの会」とか書いてあって二度見する。ここら一帯は停電してるみたいでビルや家の明かりも全然ついていない。信号も消えてる。歩道も車道も大渋滞。感覚的には大晦日の深夜、なんだけど時計を見るとまだ19時前。後輩がヒールで歩きづらそうだったのでなんでも屋みたいなところで超ダサいマジックテープのスニーカーを買う。車のライトで光るやつだったら完璧だったな。俺も「BLACK BEAT」と書かれたファッショナブルな軍手(100円)を防寒用に買う。取引先の人は「一応これ買っとこうかな・・・」と蛍光ピンクのバンダナを手にしていた。今度は無視する。

腹も減ったしちょっと落ち着きましょうかということで中華料理屋へ。ビール飲みたい気持ちをぐっとこらえ、五目チャーハンをオーダー。テレビから流れるニュース映像のあまりの壮絶さに言葉を失う。ここらへんでようやく全国的な状況を理解した。友達や東北に住んでる人や関係のある人の顔が次々と思い浮かんでくる。「大丈夫?」とメールを送りたい気持ちをぐっとこらえる。今は当事者同士の連絡でもっと優先させることがあるはず。貴重な連絡手段を無駄遣いさせるわけにはいかない。こういうときtwitterやってればいいのかもなー。ていうか俺のPHSもすでに充電が切れそうだ。チャーハンはザ・町の中華料理屋のチャーハンだった。つまりベチャベチャして不味いんだけど妙に落ち着く味。化学調味料くさいスープも期待通り。こういう時あったかい食べ物はやっぱりすごいパワーもってる。

それから4時間以上歩き続けた。途中でどっかの議員の選挙事務所で豚汁のようなものをふるまっていて、炊き出し→石原軍団→石原都知事選再出馬!みたいなことを連想してイヤーな気分になったりしながらも、ほとんどの間は何も考えずに歩き続けた。動く歩道の上を足踏みしながら移動しているような感覚。色々なことがあまりに一気に起こったので思考停止してしまったというか。それでも知ってる人が周りにいるというのは本当に心強かった。ひとりだったらどんなに心細かっただろうと思う。あーさっき、ひとりで歩いてる人にもっと声かければよかったな。でも、すごいよ。パニックになってもおかしくない状況なのに、少なくても俺の周りではそういう場面にいっさい遭遇しなかった。分岐点で皆と別れてひとりになったあと一気に心細さが襲ってきて、武道館で待つ芸能人が歌う負けないでを脳内に流しながら歩いた。俺、ゴールしたら彼女にプロポーズするんだ!ってそれ完全に死亡フラグだな、ははは・・・はぁ。

地震発生から歩き続けて9時間超、自宅に着いたのが午前1時すぎ。さぞ悲惨なことになってるだろうと身構えて玄関に入ったら、棚が倒れているとか全然ないどころか、テーブルの上に置きっぱなしだったグラスや酒瓶もそのままの状態で拍子抜けした。だからテレビの画面にうつっている出来事が嘘みたいだ。嘘であってほしい。カラダは死ぬほど疲れてるのに目が冴えて全然眠れない。
by schooldeathco | 2011-03-12 15:22 | 宣言

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