40歳の童貞男
2006年 09月 18日
この友人達が、童貞を卒業させるために使う手段がいちいちくだらなくて、「胸毛はモテない」という理由で脱毛エステに連れて行ったりする。そこでアンディは胸毛にガムテープを張られてベリっと一気にはがされるわけですが、その痛がるリアクションが素なら、周りで笑ってる友人達の笑いも本気っぽくて、なんだか鶴太郎のおでん芸や上島の熱湯風呂芸を観ているようでした。そういうベタな笑いから、「バス男」にも通じる小ネタや細かい笑いも満載で、観客をまったく飽きさせることがありません。上映中は常にどこかで笑い声が上がっていました。
しかし、そうやって面白半分にアンディをからかって応援しているうちに、友人達の中の女性に対する接し方や考え方が変わってくる。かつて尾崎豊も「卒業」という歌の中で、「卒業して一体何がわかるというのか?」と童貞卒業に対する疑問や苦悩を歌っていましたが(そういえばロストバージンのことを「卒業」って呼ぶの日本だけだよね?)、もしかしたら俺たちは童貞を喪失することによって他に失ってしまったものがあるんじゃないだろうか?そういう大切なことをアンディによって気付かされるわけです。この辺の展開はとてもぐっときました。コメディ映画であると同時に、いいトシした男たちの友情を描いた青春映画にもなっていて、途中で不覚にも泣いてしまった。