年上の彼女
2008年 07月 07日
「童貞。をプロデュース」の松江哲明監督が「童貞」をテーマにサブカル方面の著名人と語ったインタビュー本「童貞。をプロファイル」を読みました。みなさんけっこう赤裸々に恥ずかしい頃の思い出を語っているのですが、なかでも壮絶すぎて笑うに笑えなかったのが峯田和伸の中学時代のエピソード。毎週土曜の夜に男8人ぐらいで輪になってシックスナインをしていた話や、つみきみほ(俺も好きだったなー)似の国語の先生に1年間性的な行為を強制され続けて…っていうリアル「さくらの唄」みたいな話。こんなのうっかり飲み会で話したら潮干狩りができるほどドン引きでしょう。まあだからこそ、この男は信頼できるわけですが(音楽の好き嫌いは置いといて)。峯田に限らず童貞期に年上の女性に多大な影響を受けたって男は多いんじゃないでしょうか。
たとえば映画で言うと「あの頃ペニーレインで」でレコードのコレクションを主人公に託して家を出る姉役や、「テラビシアにかける橋」で主人公を外の世界に連れ出すヒッピー音楽教師役(クラスの生徒全員に楽器を持たせて「Why Can't We Be Friends?」を歌わせる場面は今年屈指のベストシーン!)といった「文系少年の憧れお姉さん」役で知られるズーイー・デシャネル。えーと日本で言うと誰だろ、麻生久美子とか?そんな彼女がなんとM・ウォードと組んでアルバム・デビュー。ハリウッド女優の片手間的な企画モノかと思いきや、なんと12曲中10曲を彼女自身が手掛けていて、しかもめちゃくちゃ良い!はっきり言ってかつての憧れ少女=ジュリエット・ルイスや、最近カバーアルバムを出したスカーレット・ヨハンソンの比じゃないです。思い出すだけで甘酸っぱい気持ちがよみがえるノスタルジックな「何か」。これほどまでに彼女が演じた役のイメージ通りの音を鳴らすなんて!「彼女と彼」というド直球過ぎるユニット名もぐっとくる。
インタビュー後半、女性に対するトラウマを抱えたまま大学4年になった峯田が、当時付き合ってた彼女と3日くらいかかってようやくセックスして(松江「実際うまくいかなくてもそれでバイバイとはならないですよね。女の人は待ってくれるっていうか。」峯田「そうですよねー、あったかいんですよね。」)、帰りの総武線の中でそれまでの人生が走馬灯のように浮かんだ・・・というくだりが、たまらなく泣けた。
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The Hollow Of Morning / Gemma Hayes (2008)
Youth Novels / Lykke Li (2008)
@#% & ! Smilers / Aimee Mann (2008)
結局のところ、こういう包容力がありながらどこか気だるくて憂いのある女性ボーカルに弱いんだよなあ。ていうかエイミーマンのはなんて読むんだろう。