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10月に観た映画
★★★★ 忘れられない
★★★ 面白い!
★★ ですよねー
★ これはひどい


誰よりも狙われた男 ★★★★
フィリップ・シーモア・ホフマン久々に見たこんな身体デカかったっけな。その風貌は一見すると諜報員に向かなそうなんだけれど、身体はデカいのにまるでそこに存在しないかのような透明感が表向きはいないことになってる諜報員にピッタリだし、思い返すと「あーこの人は本当にいなくなってしまったんだよな」と切なさが止まらない。それまで抑えに抑え続けた感情が爆発するラストのカタルシス(の無さ)と虚しさは、ニルヴァーナのスメルズ〜やレディオヘッドのクリープにも匹敵すると思う。まさか「ファック」という言葉であんなに泣けるとは思わなかった。あのエモさに日本で対抗出来るのは小梅太夫が滑り倒した後の「チックショー」しかない。

アバウト・タイム ~愛おしい時間について~ ★★★★
ヒロインが前髪ぱっつんのレトロなワンピースで現れて主人公が恋に落ちた瞬間、これは俺たちの映画…!であることが約束された。そんな彼女と出会う前までうっかりタイムトラベルしてしまい、自分の記憶がない彼女と再会するのがケイトモスの写真展で、流れるのがキュアーのフライデーアイムインラブですよ。完全に仕留めに来てますよ。もう全編渡ってそんな感じですよ。タイムトラベルの方法が「暗闇に行って拳をぎゅっとする」とかそんなスットコぶりさえ愛おしい。最近はラブコメをロマコメ、タイムトラベルをタイムリープって呼ぶのがトレンドみたいだけど、これこそ胸を張ってラブコメ版オールユーニードイズキルと呼びたい。ご都合主義だしベタだし善人しか出てこないけど(『怪しい彼女』枠)、大好きだ!

イコライザー ★★★
『ドライブ』を彷彿とさせるスタイリッシュな描写にダマされそうになったけど、なんだよやっぱりこれ20年くらい前のジャンプ漫画じゃん!悪役がきっちり死亡フラグ立てて惨たらしく殺されるのはブラックエンジェルズだし(スポークじゃなくて電気ドリルだけど)、デンゼルワシントンは北斗の拳のケンシロウみたいな無敵状態だし、敵のボスが「おまえらで対処できないなら始末出来る奴を呼ぶ」ってもったいぶった挙句出てきた殺し屋がカット切り替わったら瞬殺されてた出オチ感もドラゴンボールのコルド大王みたいで最高でした!クロエちゃん(肩幅広すぎ)を守る話がいつの間にか地球上の悪は俺が裁く!みたいになっててゲラゲラ笑いました。

ニンフォマニアック Vol.1 ★★★
語られる内容は日刊ゲンダイに載りそうな目を手で隠した素人体験談レベルなのに、語り口が異様に洗練されてるわインテリだわユーモアに溢れてるわで普通に面白い。っていうか、これ本当にラース・フォン・トリアーの映画なの?たしかに性描写は完全にリミット振り切ってるけど、観終わってごはん食べれなくなるほど打ちのめされた『アンチクライスト』や『メランコリア』と並べて「鬱三部作」(やな三部作だ…)と呼ぶには軽すぎるような。ポランスキーにおける『おとなのけんか』みたいな息抜き作品なのかしら。いやいや、途中でガラッと変わったメランコリアみたいにVol.2で「もうやだこの監督」ってゲンナリするのを期待してます!
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by schooldeathco | 2014-11-11 21:28 | Comments(0)
ソカバンをサニーデイだと思い込んでる人かわいそう。ソカバンは良いけどサニーデイとは全然違う。
Sunny / サニーデイ・サービス (2014)

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サニーデイのアルバムでいちばん好きなのは『愛と笑いの夜』で次が『MUGEN』です。なぜならどちらも週末の夜のふわふわした空気を感じさせるから。週末の夜といえば『LOVE ALBUM』もそうなんだけど、あんなにキラキラ浮ついてなくて、どちらかといえばダウナーだけど心地良い空気がパッケージされている。昔観光地のお土産物売り場でその土地の空気が入った缶詰とか売ってたけどまさにそんな感じ。どんなに憂鬱な日曜の夜も、再生ボタンを押すと明日が振替休日に早変わり。そんな魔法がサニーデイのアルバムには宿ってると思う。フィッシュマンズの『宇宙 日本 世田谷』も同じ理由で心の一枚です。

まあそんな「週末の夜ソング」の最高峰といえばサニーデイではなく曽我部ソロのこの曲なんですが。


というわけで、サニーデイのニューアルバムが出たので即買いましたよ。正直ここ最近の曽我部ソロ関連の音源はまったく追ってなくて、たまにレコ屋で試聴しては渋い顔でヘッドホンを戻すみたいなことを続けていた。でもサニーデイの新譜って聞くと即反応してしまう。どっちも作ってる人実質ほとんど変わらないのに。むしろソロの方がよっぽど新しいことやってるはずなのに。やはりサニーデイにはあの頃の、つかまえようとしてつかまえられなかった何かを求めて追い続けてしまうのだろう。

再結成後に出た前作のタイトルが『本日は晴天なり』で今作が『sunny』。さらにタイトルに「夏」が付く曲が3曲も入っている。つまり前作も今作も俺の大好物の「週末の夜」のムードはほとんどないのだけれど、なんていうか決して「夏だ!海だ!彼女とドライブだ!」じゃない脳内妄想というか白昼夢感に溢れてて、これはこれでしみじみサニーデイだなあとほっとする。最近のインタビューを読んでも曽我部の中でサニーデイとそれ以外はきっちり線引きされてるのだろう。

ていうか、考えてみれば『愛と笑いの夜』にも『サマーソルジャー』と『白い恋人』という夏冬二大リゾートソングが入ってたんだった。俺の好きなエピソードはそのどっちかをシングルとして出した時に曽我部が「絶対売れる!サザンみたいに売れる!」と確信して発売初週のオリコンをチェックしたら左側のページ(つまり50位以内)にすら入ってなくて本気で絶望して雑誌記者の前で腕に「4REAL」と刻み込んだ事件です。
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by schooldeathco | 2014-11-03 04:06 | Comments(0)