シン・シティ
2005年 10月 09日
で、この「シン・シティ」ですよ。今日新宿で観てきました。原作のコミックスを映画化すると聞いた時からずっと楽しみにしていた映画なのですが、それと同時に不安もあったわけです。その理由が原作者のフランク・ミラーとともに共同監督としてクレジットされていたロバート・ロドリゲスなんですよ。この人デビュー作の「エル・マリッチ」から「デスペラード」に「フロム・ダスク・ティル・ドーン」と、オアシスで言うところの「Definitely Maybe」みたいな勢いある映画を連発していた大好きな監督だったのですが、近年はタイトルだけで内容が8割方想像できる「スパイキッズ」シリーズですっかりファミリー向けに迎合した骨抜き監督になってしまったような印象があり、俺の中ではすっかり「終わった」監督にカテゴライズされてしまっていたのです。そうです、さっきの薄っぺらな前フリが今ここでつながってきますよ。死ぬほど強引ですがオアシスやウィーザーと重ねて見てしまったんですね。いくら復活だ言うてもあの頃の輝きはもう戻ってこないだろうと。それなら思い出の中でだけ踊らせてほしいと!
それがアナタ。戻ってきたじゃないですか。戻ってきたどころか過去作をも超えちゃいましたよ!何これ、超面白い!詳しい感想は省きますが、というより俺にはこの映画の素晴らしさを語る術がありません。いいから見てよ!としか言えない。レビュー放棄だこの野郎。あ、ひとつだけ言わせてもらうと、こないだ「タッチ」について書いたときに「原作漫画と映画は別物として捉えるべきだ」みたいな偉そうなことを言いましたが、それも撤回だこの野郎。ここまで原作コミックスに対してリスペクトを込めて忠実に(という域を超えてると思う)再現した映画は観たことがありません。あと、復活という観点から言うと、猫パンチ以降、源平合戦後の平家をも凌駕する凋落っぷりを見せつけていたミッキー・ロークが、たった一夜を過ごした娼婦の為に命を捨てて勝ち目の無い戦いに挑む漢を見事に演じていてシビれました。男が惚れるほど格好良かったです。もう2度とボクシングやりたいなんて言い出さなければいいと思いました。