パンクロックで、きれいになる。
2013年 09月 02日
どたどた、ばったん。ちいさな子が家の中で走り回るようなドラムが聞こえてきたら、それがパーティーのはじまりの合図。カナダ出身のガレージパンクバンドThe White Wiresのドラマーとしても活動するアリー嬢の課外活動となるPeach Kelli Popのセカンドアルバムは、はやい、たのしい、やかましい、の三拍子揃ったゴキゲンなパンクミュージック。インディー感あふれるキュートなジャケと、10曲でジャスト20分という潔さに拍手。
「やっぱりギターポップはこうでなくっちゃね」そう言って笑うのはブロガーのエイジさん。行きつけのタワレコでジャケを見た瞬間ビビッとくるものがあったという。「やっぱり僕ぐらい年季の入ったリスナーになると、ジャケを見ただけでわかるっていうか。音を聞かなくても、たとえばほら、性格がわからなくても見た目で恋に落ちるってことあるでしょ?それと同じなんです」それで失敗することは?「それはヒミツです(笑)」
ブロガーだけではなくカリスマDJとしての顔も持つエイジさん。先日イベントでこのアルバムの曲をスピンしてみたが、お客さんの反応はイマイチだったとか。「基本的に僕らのイベントに遊びに来る人というのは音楽を聞いていないんです。やれサライを歌わせろ、酒もってこい、寿司食わせろ、わーわー騒いで最後は肩くんでオアシス。それだけですから」そう言って肩をすぼめるエイジさんにも、夢があるという。
「いつかエッジエンド(エイジさんがよく出没する渋谷のロックバー)で餅つき大会をしたいんです。ちゃんと杵と臼を持ち込んで夜通しぺったんぺったんって。つきたてのお餅ってアツアツでほんとに美味しいですよね」そんな餅イベントの〆に流れるのは一体どんな音楽なんだろう。「もちろんPeach Kelli Pop!…と言いたいところですが、きっとドンルクや粉雪なんでしょうね。結局僕はそういうベタなのから離れられないみたいです」やれやれという表情を浮かべながら、どこか嬉しそうなエイジさんだった。