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スクールデスコ

外はサクッ、中は腐ってる日記

コンビニの一角で行われているDJに、いつの間にか人だかりができる。

タイトルは小西康陽氏のブログの記事タイトル「公園の一角で行われている詰め将棋に、いつの間にか人だかりが出来る。」に捧げました。4年前に読んで即保存した。素晴らしい文章。久々に読み返してみたらやっぱりぐっときた。ちょっと長いけど引用します。

だから、若い人の集まるクラブでも、なるべく誰もが知っている曲を選ぶ。あまりにも有名な、コマーシャルな曲ばかりを選ぶ。まさかクラブで聴けるはずがない、という曲や、もちろん知っているけれど、すっかり忘れていた、という曲を不意打ちのように掛ける。
 
人の知らないレアな曲を掛けることが退屈だとは思わない。だが、ここ最近、自分が面白いと思っているのは、誰もが知っている、むしろ記号化しているような曲を使って驚かせるゲームなのだ。
(略)
たまたま、NOEL & GALLAGHER のプレイを三度も観てしまった自分は、いつの間にか感化されていたらしい。秋頃から自分もまた、シングル盤で掛ける曲はほとんど最初のコーラスまでで次の曲に替えてしまう、という、いわゆるクイックなスタイルになってしまった。
 
正直に言えば、かつてはあまり好んでいたスタイルではなかった。それは自分が作編曲の仕事をしていたせいもある。せっかく音楽家が腐心して考えたイントロやエンディングを聴かせずに次の曲に行くなんて、とさえ思っていた時期もあった。


ドン小西以上に渋谷界隈ではドンといえる小西康陽氏ほどのアーティストが若い世代に感化されながら自分のDJを模索し悩み続けてるのもいいし、年2回くらいしかDJ(っぽい何か)しない自分が言うのも大変おこがましいのだけど、これを読んだ時に「俺も!俺も同じ!」って勝手にシンパシーを感じてしまったんだよな。まあ俺の場合は誰かに感化されたというよりも、「1曲を長く聴いてると自分が飽きてしまう」という残念な理由なんだけど。

でもそういうことなんだと思う。周りを楽しませるためにはまず自分が楽しんでないとダメだし、自分が楽しんでいれば自然と周りの人たちも笑顔になるって昔ファンキー加藤も言ってた。ダイノジややついいちろうの芸人DJが邦楽系の夏フェスで大人気なのは個人的にはアレだけど、理由はすごくわかる。個人的にはアレだけど。NOEL & GALLAGHERのDJはずっと気になりながらも(まず名前がズルすぎる)まだ一度も見たことがないので今度遊びに行きたい。

そしてこの記事のタイトルに戻るわけですが、レコードコンビニもまさにそういうことだと思うんですよね。
コンビニの一角で行われているDJに、いつの間にか人だかりができる。_d0010121_00020152.jpg
レコードコンビニで毎月開催されてるDJイベント「ダブルキャスト」。前回行った時にいろんな意味でかなり満足してしまったので「しばらくいいや」って思ってたのですが、開催数日前に発表された5月のゲストDJがなんと小西康陽!これは行くしかないでしょう。

イベント開始の5分前に着くと、もう店の前に30人くらいの行列。コンビニに行列ができるというディストピアな光景。道行く人たちが不思議そうに覗き込む。あーこの感じ、都電貸切DJイベント行った時に近い。前回の70名に対して今回は100名超えだったようですが、体感的には朝8時台の大江戸線くらいの混み具合だったのでよく訓練されたサラリーマンには無問題。むしろこの狭さが楽しさに繋がってるところがレコードコンビニの不思議な魅力なんだよなー。
コンビニの一角で行われているDJに、いつの間にか人だかりができる。_d0010121_00020174.jpg
入場すると、冒頭から小西康陽氏が大ネタ連発のクイックDJを繰り広げていて最高しかない。高野寛からのピーター・ビヨーン・アンド・ジョンとか、オアシスからのブラーsong2とか、笑っていいともとかネバーエンディングストーリー羽賀研二版とか、星野みちるにピチカートまで!本当に「聴いたことがない曲」は、ただの1曲もなかったし曲の途中でバンバン変えるしスノッブさのカケラも感じなかった。えっ、小西康陽ってこんなDJするの?って驚いた人もいると思うけど、その驚きがもれなく多幸感に変わっていくのがはっきりと見えるような、至福の1時間でした。

それから岸野雄一氏の安定のDJを挟んで、後半はずっとふたりのB2Bだったのだけど、これが最初のうちはまったく噛み合ってなくて奥さんと目合わせて笑ってしまうレベルだった。同じ大ネタ使いといっても、岸野氏の場合は「だれもが知ってる有名曲、の違う言語のカバー」だったり、「全然有名じゃないけど一聴して面白さがビンビン伝わる謎の曲」だったり、プレイスタイルにしても「身ぶり手ぶりを交えながら1曲を丸々語り切る」という感じなので。そら合わないわーと。でも後半に向けてだんだんお互いが目配せしたり歩み寄ったり裏切ったりしながら、B2Bならではの化学変化を起こしていくのがとてもエキサイティングで面白かった。
コンビニの一角で行われているDJに、いつの間にか人だかりができる。_d0010121_00020210.jpg
というわけで、結局今回も冒頭からラストまで丸々4時間堪能してしまいました。帰り際に小西氏と話すことが出来て、さすがにブログで感動した件は伝えられなかったけど、今夜のDJが本当に素晴らしかったことと、僕ら夫婦もフジロッ久(仮)のファンなんですアルバムのライナー超エモかったですって伝えられたのでよかった。


by schooldeathco | 2016-05-27 23:35

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