グエムル -漢江の怪物-
2006年 09月 03日
予告CMでちらっと見た人も多いと思いますが、冒頭いきなりはじまる怪物の登場シーンがリアルすぎておしっこもれる。普通こういう怪物映画というのは、どんなに迫力ある描写でも、「あースクリーンの向こうでなんかやってんなー」ぐらいにしか思わないのですが、白昼堂々怪物が現れるこの場面は、実際に自分がその場にいて、目の前で繰り広げられているような感覚に襲われました。なんだろ、たとえば夢の中だとどんなにシュールなことが起こっても信じちゃうじゃない、なんかそういう感覚。もしくは、鬼ごっこで足の超速い鬼に標的にされた瞬間の絶望感。鑑賞じゃなくて体感。なんか言えば言うほど安っぽい宣伝文句みたいになっちゃうので、これはもう映画館で観てください。
それ以降も、普通はこうなるだろうという展開をことごとく裏切る形でストーリーが進み、そのギャップがショックや笑いを生んでいました。あとはやっぱりペ・ドゥナですかね。彼女はさらわれた女の子の叔母で、アーチェリーの有名選手という役どころなのですが、人間を次々につかまえて食っちゃうような恐ろしい怪物にそのアーチェリー1本で立ち向かおうとする。ペさん、いくらなんでもそれは無茶だよと俺は注意するのですが、彼女はまったく聞く耳を持たず、あのいつものようにふてくされた顔で、おもむろに「どーぶーねーずみみたいにーうーつくーしくなーりーたいー」とリンダリンダを歌いながら、暗い下水溝の中に消えてゆくという場面を帰り道に妄想しましたのでもしよかったら付き合ってください。